断熱工法などで○○工法というのをよくみかけ、御問い合わせもあります。どれが一番よいのか。外断熱が良いのか、内断熱が良いのか・・・付加断熱が良いのか。

RCならともかく、木造においてはどれがよいとお答えするのは難しいです。(外断熱というより外張り断熱ですよね。)そして、内断熱、外断熱と言われていますが、この中にもたくさんの種類があります。内断熱、充填断熱ひとつとっても、いろんなやり方があります。外張り断熱の気密のとり方も様々です。

断熱材の種類も山ほど。グラスウール、発泡プラスチック系、自然系断熱材などなど・・・  

何とか工法が良い!と私は、断言は出来ません。また、お施主様の希望する家への要望全体から断熱への予算バランスもいろいろですよね。
     

断熱工法、断熱材、それぞれに一長一短が必ずあります。
○○工法というのはたいてい高気密高断熱を追及した製品の名前です。
必ずしもその製品にこだわらなくても、同じ性能をつくることはできます。

つまり、私からお伝えしたいのは

製品ではなく、求める性能、断熱性能にこだわってください。

Q値は熱損失係数であり断熱性能を表しK値は熱貫流率であり壁や床などの各部位の断熱性能を表し、C値が気密性能であり数値が低いほど気密性が高く断熱材は確実にしっかりと隙間なく施工しなくてはなりません。ただやみくもに断熱材を厚くし、詰め込めばよいという物でもありません。同じように見える製品でも性能が全く違う物も多く、厚さのみに比例するわけでもありません。しっかりと製品の性能値を調べて計算し、精度よく施工をすること。

確実にいえることはどの工法においても、断熱施工は精度がよくなくては意味がないのでしっかりと監理することが大切です。

断熱リフォームなどでいい加減な施工をすることで、かえって家の寿命を縮めることになる危険性は大きいのです。壁体内結露、断熱欠損、あたりで検索していただければ、様々な事例が見られると思います。

断熱においては、熟慮した省エネ設計に基づき設計し、欠損をつくらないしっかりした施工者を選んで施工してもらうのが一番良いといえるのではないでしょうか?

予算、気象条件、求める性能など、いろいろ考慮した上で選びましょう。あなたのお住まいの地区は今現在の(2019年からの)省エネ基準地域区分ではどの地域になりますか?1~8地域ある中で、長野県は2~5地域まであります。その地域ごとに省エネとされる基準が変わります。

繰り返します。省エネは○○工法や製品ではなく、求め得られる性能値に拘り、丁寧な施工が一番大事です。


2004年の開業以来、ずっと省エネにはこだわり続けて作ってきているVidaFeliz一級建築士事務所ですが、当時から作っているものは同じでも、住宅トップランナー基準ZEHゼロエネ次世代基準、と名称は次々変化していくのでその時代の法律や基準に当てはめて計算し対応するため、日々、様々な講習や勉強をし、様々な資格も取得しております。省エネアドバイザーの資格も持っております。


今までにつくってきている省エネ性能は今のZEH相当、ゼロエネ基準相当であっても、時代と主に大きく変わってきていると実感するものは【窓】です。窓は、次々と高性能な窓が開発され、以前は高くてなかなか予算内で手を出すのが難しかったトリプルガラスの窓も手が出る製品へと変わってまいりました。

断熱を考えた時、熱の移動はどう動くかご存じですか?熱エネルギーは高いほうから低いほうへ移動するのです。つまり、夏は外から家の中へ、冬は家の中から外へ、移動します。

 窓面積、窓の向き、家の形、気象条件によるので、一例であって、長野県にそのままあてはまるわけではありませんが、東京都での標準的な2階建ての戸建て住宅において、夏の外から中へ移動する熱流入のうち窓からの熱流入は70%を超え、冬の家の中から外への熱損失は窓からが50%というデータがあります。
 それくらい窓は家の省エネにおいて大きく左右させるものであるのがよくわかる参考例です。とはいえ、窓の大きさや向き、日照によっても同じ大きさの窓でも違うため、きちんと理由を持った設計が必要となるものだと思います。

追記 2023年度、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた家庭部門 省エネの強力な推進として先進的窓リノベ事業の補助金が始まりました。この補助金、今までにない補助率なので、省エネリフォーム、断熱リフォームをお考えの方は、チャンスだと思います。

是非お気軽にご相談くださいませ。