建物には多くの木材が使われます。もちろん無塗装のまま使われるものから、塗装をして使うものまで様々。

まずは木部に塗料を塗る目的はなんでしょう?

木部への塗装の目的

  • 木部の保護…耐久性UPのため、腐らせないため、紫外線劣化を防ぐため、防虫、など
  • 見た目、美的観点。色や質感など

木材は水に濡れ、水分を含むと劣化しやすくなります。例外として、常時すべての部位が浸水しているならば長持ちをするようです。木材は呼吸をしているため調湿機能があり、湿度が高い時は水分を吸って膨らみ、湿度が低い時は逆に収縮して放出します。つまり、「動く」ということです。

木部塗装の種類

木部塗装と一言で言っても、いろいろな種類があります。そしてDIYで塗装する際に、仕上げたい目的と塗料の種類を間違えてしまっているのを、お聞きします。

まず、木部塗装の種類は大きく分けて2つ。それぞれに水性と油性があります。

  1. 木材の表面に膜を作り保護する塗料・・・合成樹脂塗料(ペンキやニス、ラッカー、ウレタン他)
  2. 木材に浸透して保護する塗料・・・ステイン

1.表面に膜を作る塗料のメリットデメリット

まずは表面に膜を作る塗料。塗料によって異なりますが、こちらのメリットは表面を覆うことで強く固く外からの衝撃や傷に強いこと。耐水性や耐熱性がある塗料もあり、水や熱にから保護するものもあります。また表面を滑らかに思い通りの発色で仕上げることができます。また塗料によっては長期間その性能を保持するものもあります。

デメリットは、木の調湿機能を閉じ込めてしまうこと。塗料によっては木の収縮から劣化ではない剥がれを起こし短期間でその機能を失うものもありますので、収縮に追従する塗料を選ぶ必要があります。また塗膜が劣化して塗膜の剥がれが出た時には素地の状態となるため、そこから一気に腐食が始まります。また塗直しの際には、塗膜をはがしてからの塗直しが必要となり手間がかかることです。劣化の一番の原因は紫外線によるため、紫外線の当たるところはあまり好ましくないものが多いです。

表面に膜を作るタイプの塗料の種類

  1. 油性調合塗料、合成樹脂調合塗料・・・いわゆるペンキやニスと呼ばれるものです。染料が多いものがペンキ、樹脂が多く透明に近く工作に使われるようなものがニスと呼ばれています。
  2. アクリル樹脂塗料・・・合成樹脂塗料のうちアクリルを主成分にしたもの。耐久性はあまりありません。
  3. ラッカー塗料・・・主成分がニトロセルロース。乾燥が早く使いやすいものの、塗膜は薄く耐久性はあまりありません。
  4. 水性ウレタン塗料・・・アクリルウレタンなどの水溶性のウレタン樹脂塗料。水で薄めたり洗ったりができ、有機溶剤特有の臭いがありません。耐久性、耐水性などにすぐれていますが、厚みを確保するために溶剤塗料より多く塗り重ねる必要があります。
  5. 1液ウレタン塗料・・・湿気硬化型ポリウレタン樹脂塗料 飴色をしており光沢性があり硬度があります。学校の床などに使用されています。
  6. 2液ウレタン塗料・・・ポリウレタン樹脂塗料と硬化剤の2液を塗布直前に混ぜて使用する。硬度があり密着性に優れる、耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性が高いなど多くの利点がある反面、塗布時から少しの期間、薬品の刺激臭がします。体育館の床や楽器や家具などに使用されます。

2.浸透する塗料のメリットデメリット

このタイプの塗料は木材の中に深く浸透することで、木の内部から保護します。つまり木材のもつ調湿作用を妨げません。浸透することで防虫効果も得られやすいです。また塗膜を作らないため、剥がれが出たりすることもなく塗り替えはそのまま塗り重ねられます。また木目を生かした仕上げができます。

デメリットは表面に塗膜をつくらないため、傷に弱く汚れやすいこと、また浸透させるために、短期間での塗直しを繰り返すことが必要になります。

浸透するタイプの塗料の種類

浸透する塗料と言えば、ステイン。ステインと言っても、溶剤系の物から自然塗料まで様々あります。主剤をオイルを使った塗料から、自然素材そのものの漆や柿渋まで。

3.塗料の選び方のポイントは?

どう仕上げたいか?で、まずはひとつ検討を。木目を生かしたいか塗りつぶしたいか、艶が欲しいか艶のない素朴な仕上げが良いか。

そして紫外線が当たるのか当たらないのか。紫外線がよく当たる場所では、ウレタン系は紫外線劣化が加速し塗直しが大変なため、他の塗料を検討するほうが良いと思います。

家の中である程度メンテナンスができる場所であれば、やはり木の良さである調湿機能を生かし、メンテナンスのしやすさを考えると浸透系塗料のステインをおすすめします。そして素肌に触れる場所や大きな面積ほど、自然塗料がおススメ。

外部に関しては、木材自体の耐久性やメンテナンス頻度に応じて、油性のステインか色を楽しむ塗膜タイプの塗料を選択するのもよいと思います。