Wall家の外壁。外観を左右する重要な建材でもあります。面積が広いだけに、イメージがずいぶん変わりますよね。
機能としては、防水、防風、遮音、耐候性、断熱性能が求められます。
そして、材料自体のコスト、施工性によるコスト。
あとは、好みです。デザイン性。
個人的には、素材感のあるものが好きです。むらのある塗り壁、無垢の木のサイディングや石貼りなど、ぺらっとしてない均一でないものや、はっきりすっきりガラスや金属などのシャープなものなどが好きで、やはり素材が感じられると味わいがあるというか、深みがあるというか・・・
でもお施主さんの求めるイメージに合わせ、予算、今後のメンテナンス計画などにより決めます。
外装材の種類
サイディング・塗り壁・貼り壁
以上、大きく分けて3つが、ポピュラーではないかしら?と、いっても、この3つの中にもいろいろと分かれており、いろんなものがあります。
サイデイング・・・ 窯業系サイデイング、金属系サイディング、木質系サイデイング
サイディングとは、いわゆるボード状の外壁材。
工場で生産するので品質を均一にすることができ、施工性も高く、サイディング自体もわりと低価格。(大抵、厚さにより価格が変わり、寒冷地は寒冷地用があります。)
デザインも多種多様。タイル風のものや板張り風など、サイディングとわからないものも。また汚れ防止機能など、性能面も日々進化を遂げています。
メンテナンスは状態に応じて洗浄や再塗装が必要です。金属系や窯業系のものは、継ぎ目のシーリング剤(弱い)が補修が必要になることも。とはいえ、最近このシーリング材の性能が上がり、中には30年保証タイプまで出ています。
*窯業系サイディング
タイル風、石積み風、板張り風、ぬりかべ風など今は本当に色もデザインも豊富なサイディングです。色も、デザインも多種多様。主原料はセメント、これに無機物などを混ぜて強化し、プレス成型して板状にしたもの。このうえに、メンテナンス対策に光触媒塗装などをした商品なども。近年は、サイディングのシーリング材の性能が上がり、中には30年保証タイプまで出ています。
*金属系サイディング
これは文字通り、金属のサイディング。こちらも窯業系のみではなく、板張り風や石積み風など色もデザインも豊富。とはいえ最近は、金属の質感を生かした原色や濃色のモダンデザインがモダン系住宅、シンプルモダン、ナチュラルモダンにぴったりで人気ですね。
表面はスチールなど工業系の金属を成型して板状にし、断熱材を裏打ちしたものです。
サイディングの中でも軽量で、施工性は抜群。コストだって安い!(注:鉄の値上がりとともに値上がりしましたので窯業系とほぼ同じかも。)
*木質系サイディング
張り方や大きさにより、いろんな表情が出来ます。
木といっても、無垢天然木、合板、木片にセメントを混ぜたものなどがあります。木は木自体に優れた断熱性能を持ちます。
木は弱い?そんなことないです。塗装を定期的にするなど、メンテナンスさえしてあげれば、新建材より長持ちだってしますよ。
塗り壁
吹付け塗装
コテやローラー塗り
モルタル下地やサイディングへ樹脂系の素材や塗料を吹き付ける、または樹脂系や自然素材系の漆喰、珪藻土、スタッコなどをコテなどで塗りつける方法です。
コテやローラーを使い、多種多様な模様付けも出来、いろんな風合いが出せるのが特徴。
価格も、ものによりますが思われているほど高くはないです。
ただモルタル下地は、地震などにより亀裂が入ることがありますので、部分的に補修や再塗装が生じます。それを考えると乾式工法で、ボード状の下地を使ったほうがリスクは少ないのかなと思います。
自然素材
*漆喰
消石灰を主成分とし、すさや糊などのつなぎ剤を混合します。カルシウムをベースとしたアルカリ性。 防火性能、吸放湿機能を備え、カビや細菌を寄せ付けにくく、低価格でもあります。
*珪藻土・・・植物性プランクトンの遺骸が蓄積されてできた土が主成分。最近の人気により、これに接着剤を始めとした、様々な添加物が混合されている、まがい物商品?も多く、果たして自然素材なのかしら?というものも多いです。防火性能、吸放湿機能を備え、本来土に還る素材です。本物はちょっと高価。
*スタッコ
・・・西洋漆喰ともいわれております。成分は漆喰とほぼ変わりませんが、これに砂などを添加したものや、大理石風など様々なものがあります。
貼り壁
- タイル
- レンガ
- 石
- セメント成型品
- ALC
デザイン、色も多種多様。一般的に汚れがつきにくく、耐候性、耐久性、耐火性に富みます。
湿式工法が主流でしたが、最近では、施工が容易で剥離や落下の心配のない乾式工法が普及。価格は高め。メンテナンスは基本的に不要ですが、剥離による落下の危険があるため、定期的に状態チェックが必要です。
*タイル
・・・粘土を主原料に焼き上げ、成型した素材。焼き上げや吸水率などから磁器質、せっ器質、陶器質などがあります。
吸水率 磁器質<せっ器質<陶器質
硬さ、価格、メンテナンス 磁器質>せっ器質>陶器質
*セラミック
・・・表面に釉薬をほどこし、焼き物同様のガラス質を表面としたもの。
*レンガ
・・・こちらも焼き物。価格も質も様々です。テクスチュアも様々。もともとは、西洋などで構造材としていましたが、地震の多い日本では、化粧材として使われます。寒冷地は耐凍性を要チェック。
*石
・・・天然石です。もちろん、種類も価格も様々。こちらも、もともとは西洋にて構造材として使われていました。形状も、丸い石のままから、板状のものから、石をスライスし表面のみをそのまま残したものなど。
*セメント成型品
・・・セメントを主原料にしたもの。レンガや石などの、デザイン性、質感を追求しつつ、レンガや天然石の重量や耐凍性などに考慮し開発された商品。サイディング材とくらべ、ひとつひとつに大きさや形状にバラつきを造ってあり、天然のものに近い風合いがあります。
*ALC・・・Autoclaved Lightweight Concrete
つまり軽量気泡コンクリートのパネルです。ALCパネルの主原料は珪石、セメント、生石灰。工場生産により品質の均一化、また施工が容易。気泡などの空隙部分が多くを占めるため、軽量化はもちろん、断熱性も兼ね備えます。